2018/10/03 (水)
「高野山という思想」
高野山を開創された弘法大師空海は、唐から密教という新たな世界観、ひとつの思想のシステムをわが国に伝えた卓越した宗教家であり、また思想家でした。その業績は、書、文章などの芸術方面から、学校の創設、満濃池の修築といった土木・社会事業にいたるまで多岐に渡っています。神仏が共存共栄し、多様性を許容する空海の教えは、日本文化の基底を支える大きな要素であり、「寛容と共生」の精神文化は世界的にみても普遍的な価値を有しています。空海の今日的な革新性について、その教えを1200年もの永きに渡って守り続けてきた高野山について、お話しさせていただきます。