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講師紹介

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服部 匡志

講演日 2017/07/27 (木)

服部 匡志
ハットリ タダシ

フリーランスの眼科医

講師略歴

1964年 大阪生まれ
1993年 京都府立医科大学医学部卒業
同 年 京都府立医科大学眼科レジデント
1994年 多根記念眼科病院勤務(大阪)
1996年 愛生会山科病院勤務(京都)
1997年 出田眼科病院勤務(熊本)
1998年 聖マリア病院眼科(福岡)、海谷眼科勤務(静岡)
2002年 ベトナム国立眼科研究所網膜硝子体手術指導医
2004年 同研究所客員教授
2013年 東北大学大学院医学研究科客員講師
2015年 京都府立医科大学特任教授
同 年 大阪大学大学院医学系研究科招聘教授

高校2年生の時、父親を胃がんで亡くしたことが医者を志す転機となった。それまでは文科系志望。京都府立医科大学医学部卒業後、外科を志望していたが眼科の木下教授に出会い、その人柄に惚れて眼科の道に進む。京都、大阪、熊本、福岡、静岡の民間病院で研鑽を積み、網膜硝子体手術の分野、特に内視鏡を用いた硝子体手術では世界のトップレベル技術を持つ。
2001年10月、母校の京都府立医科大学で開催された「臨床眼科学会」でベトナム人医師と出会い、患者の治療と眼科医の指導を懇願され、2002年4月、ベトナムに渡る。
以来、13年以上日本とベトナムを毎月往復し、治療した患者は1万5千人以上。ベトナムに行った当初、医療資器材不足は否めず、助けられる人も助けられない現状を目のあたりにし、医療機器販売会社や政府などの組織に支援を要請するが、肩書もなく、個人の活動であったため、どこからも支援をえられず、困ったあげく、数百万円の自腹を切って、眼内内視鏡や硝子体機器に必要な医療器具を買い揃える。ベトナムでは無給で、すべて手弁当で活動をおこなっているために、定期的に帰国してスポット勤務医として生活費やベトナムでの資金を工面する二重生活が続いている。

現在、ベトナムの「赤ひげ先生」として、また「患者は肉親」を座右の銘に、ベトナムの貧しい人々に対し無償で治療を行うとともに、治療費が支払えない患者さんに対して、自ら治療費を立て替えることもしばしば。ベトナム人医師に網膜硝子体手術の最新技術を伝えようと情熱を燃やす熱血医師として孤軍奮闘の日々を送る。
この13年間で、自ら難症例の手術をするだけでなく、30名以上の超音波白内障手術医師や20名以上の網膜硝子体外科医師を育て、ハノイ、ホーチミンで医師が育ってくると、都市部だけでなく地方での医療サービスの向上のためにハイフォン、フエなどのベトナム各地の医師の育成にも力を入れている。

主な眼科医療活動歴
2002年 ベトナム、ハノイ国立眼科病院、ホーチミン市立眼科病院において特に網膜硝子体手術が発展できるように、いろいろな資機材を自費で投入し、この分野で失明している人々に対して懸命に手術をして救うとともに、眼科医師の育成に力を入れ始める。
2004年 ベトナム各地で、貧困者に対して無償の白内障手術を開始。
同年 タイの保健省より要請があり、バンコクなどタイの各大学病院(6か所)にて内視鏡を用いた網膜硝子体手術の教育・研修プログラムを実施。
2007年 インドネシア・北スラヴェシ島の貧困層175人に白内障の無償手術を実施。
同年 ラオス国立眼科病院の要請により、ラオスの貧困層45人に白内障の無償手術を実施。
同年 キューバのラモン・パルド・フェレール眼科病院で網膜硝子体手術の研修プログラムを実施。この研修が好評で、毎年でも招待したいとのことであった。
2013年 ミャンマー保健省およびミャンマーの国立眼科病院より、内視鏡を用いた網膜硝子体手術の研修プログラムの要請をうけ、8月より実施し12月には内視鏡を寄贈し、超音波白内障手術の指導を行うとともに、内視鏡を用いた網膜硝子体手術を若手医師に指導。
2014年 高度な医療資材を揃えた日本国際眼科病院をハノイに設立。
2015年 ミャンマーで網膜硝子体手術の技術指導および角膜移植の医療資材の寄贈。
2016年 ラオス国立眼科病院の要請によりラオスの地方での無償の白内障手術。
2017年 ミャンマーで網膜硝子体手術の技術指導および網膜硝子体および角膜移植の医療資材の寄贈。

表彰
2005年5月 日本:日本政府町村外務大臣より感謝状
2006年5月 日本:花巻市の宮澤賢治館より「イーハトーブ賞」を受賞
2007年3月 ベトナム:ベトナム政府より、「人民保健記念章」の叙勲
2008年8月 日本:全国学士会より「アカデミア賞」受賞、平和研究所より「中曽根康弘賞」受賞
同年6月 インドネシア:APAO(アジア太平洋眼科会議)より「Outstanding service of Prevention of Blindness Award」を受賞
同年10月 日本:経心会より「関西心の賞」を受賞
2012年9月 日本:内閣官房国家戦略室より「世界で活躍し『日本』を発信する日本人」として感謝状
2013年7月 日本:日本政府外務大臣表彰状
同年11月 日本:読売新聞社より第20回「読売国際協力賞」を受賞
2014年6月 日本:日本眼科医会より「日本眼科医会・会長賞」を受賞
同年11月 日本:国際ソロプチミスト日本財団より 「社会貢献賞」を受賞
同年12月 ベトナム:ベトナム政府より外国人に贈られる最高位の「友好勲章」の叙勲
2015年3月 日本:日本看護協会およびジJ&J社よりヘルシーソサイエティー賞「社会貢献賞・国際医療部門」を受賞
その他、クアンニン省・ティンクアン省・ハイフォン市・ニントアン省・カマウ省・ビンフック省・ビンフォック省・バッカン省・タイグエン省より表彰状や感謝状など多数

Facebook: https://www.facebook.com/tadashi.hattori.37

講演内容

「人間は、人を助けるようにできている」

現在は開業せず、どこの大学や病院にも勤務しないフリーの眼科医です。1カ月の半分は、北は盛岡から南は鹿児島まで、約10か所の病院を渡り歩いて診察と手術を行い、生活費と現地での活動費をやりくりしています。残りの半分は主にベトナムの首都ハノイに行って、ベトナム国立眼科病院にて網膜硝子体手術およびその指導を行い、またハノイやホーチミンに貧しさのためにハノイやホーチミンに行けない人たちに対して、地方に医療資機材を運び込み、無償で白内障手術をしています。そんな僕の生き方に疑問を持つ人がたくさんいます。「なぜ、そんなことをしているのか?」。揶揄する人もいます。いつも考えるのは、「一人ひとりが、それぞれの場所で、今できることを精一杯やること」が大事なのだということです。どうしたら生きがいを持って生きられるのか。ベトナムでの医療活動を通して、私の人生観をお話しいたします。

主要著書

はっちゃんベトナムに行く―自分さがしの旅』アーティストハウスパブリッシャーズ、2007年
人間は、人を助けるようにできている』あさ出版、2010年
老ける・老けないは目で決まる!』すばる舎、2013年

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