講師紹介
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講師略歴
1961年東京都品川区生まれ。子どもの頃から生き物が好きで、昆虫学者を夢見ていた。
その後、F1マシンのデザイナーを物理の不出来であきらめバイオロジストの道へ。
大学時代から社会性昆虫を研究し、卒業後は民間会社に5年間勤務。
その後、東京都立大学大学院で生態学を学ぶ。
現在、北海道大学大学院農学研究院生物生態・体系学分野准教授。
社会性の進化や集団を作る動物の行動などをはじめ、さまざまな進化生物学の問題を研究。
特に、働かないハタラキアリの研究は大きく注目を集めている。
自宅でカメや熱帯魚など数多くの生き物を飼育している、生粋のバイオロジスト。
講演内容
「組織の効率と存続~アリとヒトの同じところ違うところ~」アリのコロニーには、ほとんど他者のために貢献しない「働かないアリ」がいる。近年の研究で、
このような個体には、他のアリが疲れて働けなくなったときに代わりに働くことで、コロニーの
絶滅を回避する機能があることがわかってきた。つまり、全員が働かない非効率なシステムが
組織の長期存続を保証している。本講演では、社会性昆虫のコロニー駆動システムを紹介する
とともに、組織の効率と存続について、アリとヒトの違いを考慮して議論したい。
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・1/20 (金) 川田順造氏 「人類学から日本を問い直す」
主要著書
『働かないアリに意義がある』メディアファクトリー(メディアファクトリー新書)、2010年このページを印刷