講師紹介
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講師略歴
1952年 東京都生れ1975年 京都大学理学部動物学科卒業後、京都大学院理学研究科博士課程修了
1980年~82年 ケニアの日本学術振興会アフリカ研究センターに勤務
1983年 財団法人日本モンキーセンター研究員
1988年 京都大学霊長類研究所助手
1998年 京都大学大学院理学研究科助教授
2002年 京都大学大学院理学研究科教授、現在に至る
1987年 理学博士(京都大学)
1970年代後半から30年近くにわたり、中央アフリカ熱帯雨林における自然と人間に関する調査研究にかか
わり、とりわけ、ルワンダとコンゴ民主共和国に分布する野生ゴリラに関しては、長期調査にもとづく詳細な
生態・社会の解明を行い、またその成果をもとにして初期人類の生活・社会の進化史を再構成するなど、数
多くの論考を発表
さらに、中央アフリカの熱帯雨林域における人と自然の共生に関して、豊富な調査経験にもとづいて政策的
提言を行うとともに、地元に保護と地域開発に関わるNGOを創設するなど、実践的研究にも深く関わる
霊長類学・人類学から得られた知見をもとに、現代社会が抱える「こころ」の問題や、少子化・高齢化などの
問題に向けて積極的に発信するなど、幅広い活動を展開している
講演内容
「暴力はなぜ生まれてきたのか~人間性の起源~」世界各地で戦いが頻発し、社会の内部ではいじめやセクハラなどの暴力が深刻化する現代にあって、人間
の暴力とは何か、それはいったいどういった人間性に由来するのか、を論じることはこれからの人間社会の
行く末を見定めるうえで重要である。人間の暴力には人間以外の霊長類の攻撃性に由来する特徴と、人間
独自のものがある。暴力の進化史には大きな誤解がつきまとう。それを霊長類の進化と人間の文化の発達
史に沿って解き明かそうと思う。
主要著書
『ゴリラとヒトの間』講談社(講談社現代新書)、1993年『家族の起源-父性の登場』東京大学出版会、1994年
『父という余分なもの』新書館、1997年
『ゴリラ雑学ノート-「森の巨人」の知られざる素顔』ダイヤモンド社、1998年
『ジャングルで学んだこと』フレーベル館、1999年
『オトコの進化論-男らしさの起源を求めて』筑摩書房(ちくま新書)、2003年
『ゴリラ』東京大学出版会、2005年
『サルと歩いた屋久島』山と渓谷社(ネイチャー・ストーリーズ)、2006年
『暴力はどこから来たか』日本放送出版協会(NHKブックス)、2007年
『人類進化論-霊長類学からの展開』裳華房、2008年
など多数
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