講師略歴

1957年和歌山県生まれ。1986年筑波大学大学院生物科学研究科修了。理学博士。アリゾナ大学神経生物学部門博士研究員、筑波大学生物科学系助手、講師、助教授、教授、東京大学大学院情報理工学系研究科教授を経て、2006年より東京大学先端科学技術研究センター 教授。東京大学先端科学技術研究センター所長（2016～2022年）。2023年4月より東京大学先端科学技術研究センター シニアリサーチフェロー、６月より現職。JSTさきがけ「多感覚システム」研究総括。
専門は神経行動学。昆虫のフェロモン源探索行動の研究や、昆虫制御型ロボット（サイボーグ昆虫）、スーパーコンピュータによる大規模脳シミュレーションなどで知られる。
『昆虫の脳をつくる』（朝倉書店、2018年）、『サイボーグ昆虫、フェロモンを追う』（岩波書店、2014年）、『ロボットで探る昆虫の脳と匂いの世界　ファーブル昆虫記のなぞに挑む 』（フレグランスジャーナル社、2009年）、『昆虫ロボットの夢』 （農山漁村文化協会、1998年）ほか著書多数。小中高生対象の実験科学教室を開催。

神﨑研究室ホームページ：http://www.brain.rcast.u-tokyo.ac.jp/index.html
＜研究概要図＞

講演内容

【オンライン受講】　サイボーグ昆虫 ～昆虫科学が拓く異次元の世界～

生物、なかでも昆虫は全生物種の半数以上を占め、われわれの想像を超えた能力を発揮し、最新の科学技術でも未解決の課題解決への糸口をあたえる。ここでは、重要な感覚情報であるにも関わらず工学的なセンサもなく情報として扱いが難しい「匂い」に注目し、匂いのセンシング、匂い源探索のしくみを遺伝子工学、神経科学、情報科学、ロボット工学、そして「サイボーグ昆虫」という全く新しいアプローチからわかりやすく解説し、昆虫の超能力の解明とその応用について紹介する。昆虫が解く課題解決法は、自然に優しい自然と共存する新しい科学技術の道を拓く。
 

主要著書

『昆虫の脳をつくる　君のパソコンに脳をつくってみよう』朝倉書店、2018年
『ブレイクスルーへの思考　東大先端研が実践する発想のマネジメント』東京大学出版会、2016年
『研究者が教える動物実験』（共編）、共立出版、2015年
『昆虫科学読本　昆虫の目で見た驚きの世界』（共編）、東海大学出版部、2015年
『サイボーグ昆虫、フェロモンを追う』岩波書店、2014年
『ロボットで探る昆虫の脳と匂いの世界　ファーブル昆虫記のなぞに挑む』フレグランスジャーナル社、2009年
『理工学系からの脳科学入門』東京大学出版、2008年
『昆虫ロボットの夢』（共著）農山漁村文化協会、1998年