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講師紹介

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窪寺 恒己

講演日 2014/06/06 (金)

窪寺 恒己
クボデラ ツネミ

国立科学博物館標本資料センター コレクションディレクター

講師略歴

1951年 東京生まれ
1978年 北海道大学大学院水産学研究・修士課程修了
1982年 北海道大学大学院水産学研究博士課程単位修得ののち、退学
同年6月水産学博士
1982年 オレゴン州立大学海洋学部・研究助手
1983年 国立科学博物館・動物研究部・動物第三研究室・研究官
1986年 第28次南極地地域観測隊員夏隊・海洋生物担当で出向(~1987年)
1992年 国立科学博物館・動物研究部・動物第三研究室・主任研究官
1997年 国立科学博物館・動物第三研究室長
2007年 国立科学博物館・動物研究部・海生無脊椎動物研究グループ長
2011年 国立科学博物館・標本資料センター・コレクションディレクター(分子生物多様性研究
資料センター長兼任)

2004年、小笠原沖の深海でダイオウイカの生きている姿を世界で初めて撮影することに成功
し、世界中の注目を集める。
この事件は2005年のNational Geographic News Stories Top 10の第一位に選ばれた。
また、2006年には同じ小笠原沖で実際に生きたダイオウイカを釣り上げ、その動き回る衝撃的
な映像をニュースメディアに公表し、世界を驚かせ続ける。
2007年、ニューズウイークの「世界が尊敬する100人の日本人」に選ばれる。
2008年、ニュージーランド国立博物館にて南極海で捕獲された巨大イカ・コロッサル・スクイッド
の標本作製に協力し、その様子はDiscovery Channel を通じて世界中に広く発信された。
2012年7月、NHK・Discovery Channelと国立科学博物館の共同プロジェクトでダイオウイカ
の生態映像の撮影に成功し、2013年1月にはNHKスペシャル番組・ディスカバリーチャンネル
自然番組として発信され、世界中を驚愕させる。

講演内容

「深海の怪魔 ダイオウイカを追いかけて」

クラーケン・シーサペント・海魔:16世紀中頃から始まる大航海時代、海の魔物と恐れられてい
た謎の生き物、巨大イカ、それがダイオウイカ。ダイオウイカは、無脊椎動物の中では最大級
の生き物で動物ギネスブックによると、1966年大西洋バハマ沖で捕獲された全長(鰭の後端
から触腕の先端)14.3mの記録がある。
今までに、欧米の研究者やドキュメンタリー制作会社が生きているダイオウイカを、その生息し
ている深海で特殊カメラや有人潜水艇をもちいて撮影することを試みるが、すべて、失敗に終
わる。
そこで、我々は2002年から小笠原父島沖で小型デジタルカメラ・ロガーをもちいて深海性大型
イカ類の調査を始めた。そして2004年9月、深度900mの深海で世界初となる、ダイオウイカの
静止画を撮ることに成功した。さらに2006年には、深度650m付近からダイオウイカを釣り上げ、
その動き回る姿をビデオカメラに記録しメディアを通じて世界中に発信し、世界を驚愕させる。
それらの成果を受けて、NHKグループはダイオウイカが深海で泳ぐ姿を実際に撮影しようと
する大規模プロジェクトを計画した。私も研究者として参画することになった。
そして、2012年夏、40日間におよぶ小笠原ダイオウイカ調査・撮影大プロジェクトが敢行された。
その成果は、ダイオウイカと人類の初の遭遇という快挙となり、2013年1月13日NHKスペシャル
「世界初撮影!深海の超巨大イカ」で放映された。そのプロジェクトの実態を、実際に参加した
研究者の立場から紹介する。


■ この講演にご関心をお持ちの方へ

  科学はこんなにオモシロイ!
・6/5(木) 新見 正則氏 「マウスが教えてくれた幸せな生き方論」

主要著書

日本近海産貝類図鑑:頭足類』東海大学出版会、2000年
イカ その生物から消費まで:イカ類の生理・生態』成山堂書店、2002年
日本列島の自然史:南のタコ・北のイカ』国立科学博物館叢書、2006年
海に生きるものたちの掟』SBクリエイティブ(サイエンス・アイ新書)、2009年
新鮮イカ学:第10章-巨大イカ暗黒に舞う』東海大学出版会、2010年
深海の怪物 ダイオウイカを追え!』ポプラ社(ポプラサイエンスランド)、2013年
ダイオウイカ、奇跡の遭遇』新潮社、2013年 など。
新種頭足類17種の記載論文のほか、頭足類の分類・生態に関する学術論文、報告書など多数。

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