講師紹介
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講師略歴
1934年東京生まれ。東京大学教養学科文化人類学分科卒業。
パリ第5大学民族学博士。
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授、広島市立大学国際学部教授、
神奈川大学特任教授を経て、現在神奈川大学特別招聘教授、神奈川大学日本常民文化
研究所客員研究員。
1962年に西アフリカ内陸ブルキナファソの旧モシ王国を訪れ、以後アフリカ滞在は延べ9年
以上に及ぶ。フランスにも延べ9年余り滞在、大学での講義のほか、地方の伝統的職人の
面接調査を行う。日本の都市・村落で文化人類学的調査も学生時代から現在まで行っており、
アフリカ・フランス・日本を対比する「文化の三角測量」を提唱、その成果を日本語、外国語で
数多く発表してきた。
1974年「曠野から」で日本エッセイスト・クラブ賞、1975年『思想』に連載された『無文字社会の
歴史』で日本民族学振興会渋沢敬三賞、1984年レコードアルバム『サバンナの音の世界』で
文化庁芸術祭レコード部門優秀賞、1988年『聲』で藤村記念歴程賞、1992年『口頭伝承論』で
毎日出版文化賞。
2001年紫綬褒章、2002年小泉文夫音楽賞、2006年第1回日本文化人類学会賞、2009年文化
功労者として顕彰、2010年秋瑞宝重光章。
1991年アカデミー・フランセーズよりフランス語圏大勲章、1994年フランス政府より教育・文化
功労章、2010年ブルキナファソ政府より文化・科学功労章。
講演内容
「人類学から日本を問い直す」1) 日本列島における、住民と文化の形成の過程を、最新の人類学の成果に基づいて考察し、
それがこれからの日本のあり方を考える上で、どのような意味をもつかを考える。
2) 江戸=東京下町という、明治維新による断絶のなかった「地域」から、断絶のあった「明治
日本」という「国家」を問い直す。
3) アジア・アフリカ諸国との比較の視野で「近代日本」を問い直す。 明治維新から1945年まで
を「日本近代化前期」、新幹線や東京オリンピック、生活電化の高度成長期までの約20年
間を「日本近代化後期」として位置づけ、「日本近代化後期」以後の日本のあり方 を考える。
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主要著書
(下記「推薦図書」は含まず)『マグレブ紀行』中央公論新社(中公新書)、1971年(1999年・中公新書/復刻版)
『曠野から─アフリカで考える』筑摩書房、1973年(1989年・中公文庫)
『無文字社会の歴史』岩波書店、1976年(2001年・岩波現代文庫)
『悲しき熱帯』(訳書)、クロード・レヴィ=ストロース著、中央公論新社、1977年(2001年・
中公クラシックス)
『サバンナの音の世界』白水社(白水カセットブック)、1988年
『聲』筑摩書房、1988年(1998年・ちくま学芸文庫)
『口頭伝承論』河出書房新社、1992年(2001年・平凡社ライブラリー、上下巻)
『西の風・南の風』河出書房新社、1992年
『ヨーロッパの基層文化』(編著)岩波書店、1995年
『サバンナ・ミステリー 真実を知るのは王か人類学者か』NTT出版、1999年
『コトバ・言葉・ことば―文字と日本語を考える』青土社、2004年
『アフリカの声―「歴史」への問い直し』青土社、2004年
『人類学的認識論のために』岩波書店、2004年
『文化を交叉させる 人類学者の眼』青土社、2010年
『「悲しき熱帯」の記憶 レヴィ=ストロースから50年』中央公論新社(中公文庫)、2010年
※『ブラジルの記憶「悲しき熱帯」は今』改題書
ほか多数
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