夕学五十講

講師紹介

莫 邦富
モー・バンフ
講演日 2010/04/22 (木)
作家、ジャーナリスト

講師略歴

1953年   中国上海市生まれ
        上海外国語大学日本語学科卒業
        同大学講師を経て、1985年に来日
1995年   莫邦富事務所を設立
 
知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続けている。
また、「新華僑」や「蛇頭」といった新語を日本に定着させたことでも知られる。
現在、朝日新聞be(土曜版)にて「mo@china」を好評連載中。
 
博報堂スーパバイザー、ニューコン株式会社社外取締役、三菱UFJ信託銀行業務顧問
山梨県観光懇話会委員、大妻女子大学特任教授、中国山東省青島市開発区顧問
鎮江市経済顧問、河南省漯河市招商大使


講演内容

「中国から見た日本、日本から見た中国」


文化大革命の影響で経済が崩壊寸前に追い込まれ、仕方なく改革・開放路線に踏み切った
1978年当時の中国はGDPがわずか1473億ドルで、巨人のように見えた日本の足元にも
及ばなかった。しかし、今年中に間違いなく中国は日本にとってかわり、世界2位の経済大国
という座を手に入れるだろう。世界2位と3位の経済大国がアジアにあることは、アジアが「一
強時代」から「二強時代」に突入することを意味する。
さまざまな問題を抱えながらも、疾走する21世紀の大国中国とどう付き合うのか、日本にとって
大きな課題となっている。
一方、中国も日本を見る目を変えている。世界3位に後退したとはいえ、一人あたりGDPが
中国の10倍もある経済大国の先輩である日本とどう付き合っていくのか。それが中国にとって
の大きなテーマである。
日本のハードパワーより、省エネ、エコロジー、公民意識の成熟さなどが次第に中国人の目を
引くようになった。日本も中国から、スピードを求める意識、強い向上心など、学ばなければなら
ないところがたくさんあるはずだ。
謙虚に学ぶ意識と姿勢をもつ国が真のアジアのトップになりうると思う。これから日中間はGDP
の競争だけではなく、ソフトパワーの競争に没頭する時代を迎える。どのように自らに磨きを
かけるのか、どこまで人々をひきつける魅力をもつのか。それがこれからの日中両国の新たな
競争課題である、と私は信じたい。


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主要著書

新華僑』河出書房新社、1993年(中公文庫・2000年)
蛇頭』草思社、1994年(新潮文庫・1999年)
『日本企業がなぜ中国に敗れるのか』新潮社(新潮 Oh!文庫)2002年
これは私が愛した日本なのか』岩波書店、2002年
日中はなぜわかり合えないのか』平凡社(平凡社新書)、2005年
「中国全省を読む」事典』新潮社(新潮文庫)、2009年
鯛と羊』海竜社、2009年
莫邦富が案内する 中国最新市場 22の地方都市』海竜社、2010年


推薦図書

日中「アジア・トップ」への条件 謙虚になれ中国、寛容になれ日本』莫邦富著、朝日新聞出版
 (朝日新書)、2008年