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「京都花街の経営学~350年の伝統に学ぶ経営の極意~」超一流のもてなしを提供する京都花街。350年以上タフに生き延び続ける理由は、最も重要な資源である人材「舞妓」を育成するシステムと「一見さんお断り」に象徴される取引制度にあります。現在、舞妓志望者の多くは京都以外からやって来る全く素人の少女たち。彼女たちは置屋に住み込み、濃密な人間関係の中で基礎的な技能を育成し、わずか1年ほどでプロとしてお座敷にでます。さらにお座敷では顧客や関係者も巻き込み、徹底的なOJTがなされています。市場拡大に逆行する一見さんお断りの慣行は、顧客の質を保ち、高付加価値のサービスを提供する、質の競争を促進しています。日本の伝統的な文化産業である京都花街の強さを経営学的視点から解き明かしながら、風土・伝統の継承の重要性についても考えます。
『京都花街の経営学』東洋経済新報社、2007年論文「舞妓・芸妓のキャリア」『日本労働研究雑誌』No.54、2006年「プロを育てる花街システム」『Works』No.78、2006年「関係性を通じたキャリア形成-サービス・プロフェッショナルの事例」『キャリアデザイン研究』Vol.3、2007年「おめでとうさんどす」『ぎをん』No.193、2008年「「伝統」産業の可能性-京都花街研究から見えてくるもの」『京の発言』No.9、2008年「震災から再建に導いたリーダーシップの研究-神戸洋菓子産業の事例より」(服部康宏、小野善生との共著) 神戸大学ディスカッションペーパー、No.849 、2008年「人材育成と競争の制御-京都花街と神戸洋菓子の事例」(共著、森元伸枝)『国民経済雑誌』Vol.197 No.4
『京都花街の経営学』西尾久美子著、東洋経済新報社、2007年『競争優位のシステム』加護野忠男著、PHP研究所(PHP新書)、1999年『働くひとのためのキャリア・デザイン』金井壽宏著、PHP研究所(PHP新書)、2002年
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