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講師紹介

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楠木 建

講演日 2004/10/28 (木)

楠木 建
クスノキ ケン

一橋大学大学院国際企業戦略研究科 助教授

講師略歴

1964年     東京都生まれ
1992年     一橋大学大学院商学研究科博士課程修了
          一橋大学商学部専任講師
1996年     同大学同学部およびイノベーション研究センター助教授を経て
2000年~    現職

専攻はイノベーションのマネジメント、新しいものを生み出す組織や戦略について研究している
現在の研究テーマは、「次元の見えない競争における組織能力」

講演内容

「次元の見えない競争:脱コモディティー化の戦略を考える」

競争やイノベーションを考えるための新しい切り口として、製品やサービスが提供する「価値次元の可視性」
に注目する。これまでは、暗黙のうちにイノベーションを次元的なもの、つまり、明確に定義された「価値の
物差し」の上を前進する現象なり成果として考えてきた。そこでの競争は、特定少数の比較可能な次元の
上で、いかに他社よりも先に行くかという問題であった。次元的なイノベーションは、その次元上での価値の
増大に余地がある段階では有効であるが、いずれは技術的、ないしは顧客の認知的な限界に達する。
これが「コモディティー化」である。コモディティー化を克服し、競合他社と差別化し、持続的に利益を上げる
ためには、イノベーションを非次元的なものと捉えなおし、見えない次元の上に競争優位を構築しなければ
ならない。次元の見えないイノベーションではゲームのルールが大きく異なり、従来とは異なったパラダイム
でイノベーションを捉えなおす必要がある。さまざまな事例に基づいて、次元の見えないイノベーションの
視点からコモディティー化を克服するための戦略を提示する。

主要著書

『Innovation in Japan』(共著)、Oxford University Press、1997年
『Technology and Innovation in Japan: Policy and Management for the Twenty-First Century』(共著)、
 Routledge、1998年
『Japanese Management in the Low Growth Era: Between External Shocks and Internal Evolution』(共著)、
 Spinger 、1999年
『Managing Industrial Knowledge』(共著)、Sage 、2001年
ビジネス・アーキテクチャー』(共著)、有斐閣、2001年
知識とイノベーション』(共著)、東洋経済新報社、2001年
『Hitotsubashi on Knowledge Management』(共著)、Wiley 、2004年

"Incapability of Technological Capability."『Journal of Product Innovation Management』、1997年
"Interfunctional Transfers of Engineers in Japan."『IEEE Transactions on Engineering Management』
 (with co-author) 、1998年
"Organizational Capabilities of Product Development in Japanese Firms." 『Organization Science』
 (with co-authors)、1998年
「ITのインパクトと企業戦略:ビジネス・アーキテクチャーの視点で考える」『一橋ビジネスレビュー』、2001年
「価値分化:製品コンセプトのイノベーションを組織化する」『組織科学』、2001年

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