講師紹介
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講師略歴
1987年生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科准教授。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専門は経済思想、社会思想。Karl Marx's Ecosocialism: Capital, Nature, and the Unfinished Critique of Political Economy (邦訳『大洪水の前に』堀之内出版)によって権威ある「ドイッチャー記念賞」を日本人初、歴代最年少で受賞。同書は世界六カ国で翻訳刊行されている。日本国内では、晩期マルクスをめぐる先駆的な研究によって「学術振興会賞」受賞。30万部を超えるベストセラー『人新世の「資本論」』(集英社新書)で「新書大賞2021」を受賞。Twitter : @koheisaito0131
講演内容
「人新世の危機とSDGsというアヘン」
SDGs という言葉が魔法のようにあらゆるところで唱えられている。だが、迫りくる人新世の気候危機を前に、より大胆なアイデアが必要ではないだろうか。事実、格差が広がり、地球環境が悪化の一途をたどっているにもかかわらず、「経済か、命か」という誤った二項対立が、私たちの思考を狭めている。かつてローマクラブは「成長の限界」を謳った。だが、資本主義に、「成長の限界」など存在しない。資本主義は、SDGsさえも金儲けの道具にするだろう。今、真に必要なのは、脱成長社会である。みなが豊かになる、より良い未来への扉は今こそ開かれている。※本講演の開催日は、4月28日(水)から変更になりました(4/21更新)
主要著書
『大洪水の前に マルクスと惑星の物質代謝』堀之内出版(Νuξ叢書)、2019年『資本主義の終わりか、人間の終焉か? 未来への大分岐』(編著)、集英社(集英社新書)、2019年
『人新世の「資本論」』集英社(集英社新書)、2020年
『カール・マルクス『資本論』』 NHK出版(NHK 100分 de 名著)、2020年
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